どうも僕です。
第二の矢として用意した工務店でのファーストプランと資金についての打ち合せに来た僕と妻。
打合せは非常に順調だった。
『他にも話を進めている工務店がある』という、妻のカミングアウトに嫌な顔ひとつ見せずに、笑顔で『相見積もり上等!』と言い放つおっさん。
おっさんと一緒に家造りをしたいと思っていた僕にはとても良い流れだ。
さてさて、どうなることやら…
打ち合せ後半戦スタート
僕の屋根やら外壁やらへの細かい質問にも、一つ一つ丁寧に答えてくれるおっさんには感心せざるを得ない。
どっかの若造はわけの分からぬ『返し』で何一つ答えてくれなかったのに比べると、正に天と地の差である。
更におっさんは気を利かせて、内装の仕様のことについても説明を始めた。
あと、僕様のご検討されているモデルは床の無垢材と室内塗り壁は標準仕様となってます
そうなんですか!そこは絶対譲れないところなんです!
妻はコスパの高さが感じられるコメントにテンションが上がってきたのか、矢継ぎ早に次々と質問をし始めた。
これはどうなんですか!?あれはどうなんですか?!
これはこうです!あれはこうなります!
一分の隙きもなく、完璧に返すおっさん。にこやかではあるが完全にプロの顔になっていた。
それを見守る僕。
!!!!
すげぇ…!
おっさん、すげぇよ…!
この勝負…
妻の完敗だ…!
妻の満足げな表情に僕も満足する。おっさんの感じも良いし、コスパも良さそう。更にプランも良い。
おまけに相見積もり上等で、こちらから要求したわけではないのに『値引き』まで考慮してくれている。
このおっさんこそが、Tくんが言っていた『一生懸命やってくれる営業マン』なのかもしれない。
ついに理想の住まい作りが出来るんじゃ…?!
そう思えるほど、おっさんは誠実な人柄を強烈に放ち、僕は信頼関係を築ける予感を肌でヒシヒシと感じていた。
そんな折、妻がこう言った。
あと、ローンについて少しお話したいのですが…
そうだ…話に夢中で忘れていた。今の僕たちにとって一番重要な問題。この問題を今後どのようにクリアしていくのかを話し合うのは必須である。
まずはローンを通す方法論、そしてその後の月々の支払い計画。
この辺を包括的に計画をしなければ、夢のマイホームも『絵に描いた餅』になってしまうのだ。
……あ、ローンですね…(震え声)
あれ?
どうした?!おっさん?!
それまでの楽しげな雰囲気からは想像できない『不穏な空気』が打合せスペースに漂い始めた。
!?
!?
おっさんの様子が明らかにおかしい。普段、他人の動向に鈍感な妻ですら異変に気がついている。
どうした?!
さっきの勢いはどこへ行った? たった一つの質問で、先程まで見せていたプロの顔は完全に失われていた。
…ローンについては…あのぉ…
うーん…様子がおかしい。いくらなんでも歯切れが悪過ぎる。そして目が泳いでいる。
もしかして、僕が今現在ローンを使えない経緯を忘れてしまったのか?
僕はおっさんに助け舟を出すべく、ローンについての現状をもう一度簡単に説明した。
先日申し上げた通り、今ローンが通るかどうか微妙なところなのと、住宅ローン貧乏にならないように、その後の支払い計画などの相談をしたいのですが?
ロ…ローンや資金計画は…私は"専門ではない"ので担当のものを呼んで参ります…
!?
そう言っておっさんは一旦席を外した。
えっ。そういうもんなの? おっさん一応営業でしょ? ローンとかって営業がやるんじゃないの?
こういう会社もあるのかしら? 今までで初めてのパターンだ。
今思えば、おそらくおっさんはローンや資金計画については現場から転属されたばかりだったので、ズブの素人だったのかも知れない。
僕的にはおっさんと二人三脚でやっていきたいと思っていたのだが、まぁいいだろう。
専門の担当がいるのであれば、それはそれで心強い。
と、考える僕とは裏腹に、妻は明らかに懸念を抱いている表情を浮かべていた。
家計を握るものとして、そして僕の不祥事でローンが微妙なせいで、この部分に対して超神経質になっているのだ。
ある意味『どこの工務店で建てるか?』よりも、こっちの問題のほうが当時の妻にとって重要だったのかも知れない。
クッ…
僕がお金だらしなかったせいで、妻にこんな心配を掛けてしまった!今思えば『本当に申し訳なく思っている!©24-TWENTY FOUR-』
お前、そのセリフ言いたいだけだろ
しかし、当時の僕はそんな妻の気持ちなどわかるはずもなく…
専門の担当さんがいるならいるで、それでいいじゃん。なんか問題ある?
…。(うなだれながら)
などと、相手の気持ちなど微塵も考えない”軽口”を叩く安定のクズっぷり(白目)
そして、おっさんが席を外して数分後、妻の嫌な予感は的中した。
おっさんが連れて来た担当者が”これ”である。
※画像はイメージです
超胡散臭い…
妻の目から光が消えた。
つづく
ということで、本日も最後まで読んで頂きまして本当にありがとうございます!それではまた次回お会いしましょう!
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